クリニカルラダーは、看護師の能力を開発したり、評価したりするシステムのことです。論理的で的確に判断し、ニーズに合わせたケアを実践できるかどうかを判断します。クリニカルラダーを日本語に直訳すると「医療のはしご」となるので、医療をつなぐかけ橋といったところでしょうか。
日本看護協会が発表する指標は「ニーズを捉える力」「ケアする力」「協働する力」「意思決定を支える力」の4つで、それぞれの項目において5段階の評価基準があります。
看護師にとっては、職務経験に応じて次のステップを目指すための目標、いわば生涯研修といえるでしょう。
では、クリニカルラダーが、どうして必要になるかということについてお話しましょう。
これまでにも大きな病院が主となってクリニカルラダーは行われていますが、その指標は病院ごとにまちまちです。中途採用であれば、その判断基準は難しくなるでしょう。
また、世間ですでに知られているように、これからの時代は超高齢化社会になります。日本看護協会では、ケアを受ける人のニーズに応えるには、全体の看護基盤を一定水準に引き上げる必要があると考えています。規模の小さい病院や訪問介護、高齢者介護施設においても、国内共通のクリニカルラダーが導入され、広がるはずです。
国内共通のクリニカルラダーは、人と人、あるいは人と医療機関をつなぐ重要な役割を果たすことになることでしょう。しかし、一方では看護師の仕事の大変さを考えると、スムーズに進まないといった懸念もあります。こうした問題点を解決しながら、住みやすい地域づくりを目指したいものです。